膀胱炎について
女性は男性に比べて尿道が短く、外尿道口と肛門が近い距離にあるため急性膀胱炎になりやすく、若い世代の発症が多い傾向があります。
膀胱炎は適切な治療を受けてしっかり治さないと腎盂腎炎を起こすことがありますので、お早めに当院までご相談ください。
膀胱炎の種類
急性膀胱炎
ほとんどの場合は、大腸菌の感染によって起こっています。
主な症状は、頻尿、排尿痛、尿の混濁、残尿感、血尿などがあります。排尿痛は、排尿の最後に生じ、「ツンとする」「しみるよう」と形容されます。
慢性膀胱炎
膀胱粘膜の炎症が慢性的に続いている状態です。急性膀胱炎の慢性化、前立腺肥大症・尿路結石などの泌尿器疾患、抗がん剤をはじめとした薬剤など、原因は様々です。自覚症状に乏しいまま進行し、炎症が急激に悪化すると頻尿や排尿痛、残尿感などを起こすことがあります。疾患が原因で慢性的な膀胱の炎症が起こっていることがあるため、原因疾患の有無を調べることが重要です。
間質性膀胱炎
炎症が膀胱粘膜の下にある間質や筋層にまで広がっている状態で、膀胱の筋肉が収縮して頻尿、膀胱の知覚過敏、急に激しい尿意を感じる尿意切迫感、膀胱の尿量がたまった際に起こる膀胱痛などの症状を起こします。発症の原因はまだわかっていません。
放射線性膀胱炎
前立腺がんや膀胱がん、子宮がんなどで放射線治療を受けたことで膀胱粘膜が炎症を起こしています。放射線治療から数年経過して発症することがあります。発症すると頻尿や排尿痛、残尿感、尿の白濁という症状を起こし、慢性期には膀胱から出血することもあります。
出血性膀胱炎
ウイルス感染、それに伴うアレルギー性の炎症、抗がん剤の投与などによって発症します。肉眼でわかるほど赤い血尿が特徴的な症状です。頻尿、排尿痛、残尿感、微熱などを起こすこともあります。子どもはアデノウイルスの感染で出血性膀胱炎を起こすことが多くなっています。
治療
急性膀胱炎
抗生物質の投与で症状は数日後には改善に向かいますが、医師の指示通りに内服を続けないと治りきらずに悪化してしまう可能性があります。しっかり治るまで治療を続けましょう。
慢性膀胱炎
原因に疾患が関与している場合には、その治療が重要です。また細菌感染の可能性がある場合には抗生物質を使った治療を行います。必要があれば薬剤感受性検査を行ってから治療を開始します。
間質性膀胱炎
原因がわからないため、症状を緩和させる対症療法が中心になります。使用する薬剤には抗アレルギー薬や抗うつ薬などがあります。また膀胱を尿にためる訓練や刺激物の制限などを行うこともあります。膀胱に生理食塩水を注入する膀胱水圧拡張術は、診断と治療に用いられます。
出血性膀胱炎
原因として最も多いアデノウイスルには効果的な薬剤がないため。安静・十分な水分補給で経過を観察します。鮮やかに赤い血尿が出て不安だと思いますが、安静によって尿の色は数日、頻尿などの症状も1週間程度で改善に向かいます。